コレクション: 小野窯元の歴史
創業と初期の歴史
小野窯元は、1960年に徳重氏が開窯しました。その後、2代目の政司氏と共に、小石原焼の伝統技法である「とびかんな」や「わらばけ」といった技法を大切にしつつ、現代ではあまり使用されなくなった「乱れがんな」も取り入れた器作りを行っています。これらの技法は、小野窯元の作品に独特の美しさと伝統的な魅力をもたらしています。
災害と再建
2023年7月の豪雨災害により、小野窯元は工房と窯場が全壊し、作陶に必要な場所も道具も全てを失いました。しかし、小石原焼を作り続けたいという思いは変わらず、現在も再建に向けて作陶に励んでいます。この困難な状況の中でも、小野窯元は伝統を守り続ける強い意志を持ち続けています。
小野政司氏について
2代目の小野政司氏は佐賀県立有田工業高校の窯業科を卒業後、ヤマイチ窯梶原藤徳氏に師事し、3年間修業を積みました。その後、1985年に沖縄県壺屋焼島袋常秀工房で作陶し、2003年に再び小野窯元に戻り、以降も伝統技法を守りながら新しい挑戦を続けています。
現在の活動
小野窯元は、小石原焼の伝統を守りつつ、現代のニーズに応える作品を制作しています。代表的な技法には、飛び鉋や刷毛目、流し掛けなどがあり、シンプルでありながらも独特の美しさを持つ作品が特徴です。また、焼き締めや藁刷毛などの技法も取り入れ、温かみのある器作りに取り組んでいます。
再建と未来への展望
先の朝倉豪雨では、小野窯元は大きな被害を受け、自宅や工房を失いました。しかし、窯元は再建を果たし、現在も前向きに陶芸を続けています。伝統技法を守りながらも、新しい表現を模索し続ける姿勢が、小野窯元の魅力であり、今後も多くの人々に愛される存在であり続けるでしょう。